132:新型コロナウイルスで非常事態(2)

2020年2月18日 あさひかわ新聞 北京あれこれNo.132

●二〇二〇年二月一日、食材購入のため、鮮度と高品質で人気の、アリババ・タオバオ系のHEMAスーパーへ。ごく一部の日用品が品薄だがそれ以外は問題なし。特に食材は果物と野菜安売りコーナーが充実、買い物客の数も多く、全員マスク着用を除けば平常通りの印象。

 青少年は感染しないと言われていたのに、北京で生後十カ月の嬰児が感染したと報道された。市内の感染者は百八十三名に。

 中国政府は幼小中高大の授業再開延期に関し、未成年者のいる家庭は出勤開始後も保護者のうち一人は子女看護を理由に自宅待機を認めることと、期間中は通常の給与支払と解雇禁止を通達。これにより中小・零細企業の倒産件数が増えるだろうと推測。

 広西省では、感染の疑いがあるのに申告も感染予防措置も取らなかったとして四十一歳の男を国家安全危害罪で立件。有罪の場合は最悪死刑。

 ●二日、中国国外で初の死者、四十四歳の中国人が昨日フィリピンで死亡。ドイツの感染者十名、アメリカの感染者九名。北京の感染者は二百名を超え、二百十二名に。

 ●三日、北京復興病院のICUで新たに九名が集団感染、うち五名は医療関係者。発表によると、北京の集団感染は四十一件、百二十四人で感染率は五〇%以上、主たる感染源は家族・職場。

 四川省では、武漢から来たことを隠して三十名以上の医療関係者に濃厚接触したとして、六十九歳の男が刑法、伝染病予防法、治安管理処罰法などを理由に責任を追及と報道。

 ●四日、設計から完成まで十日間という突貫工事で建設された武漢の火神山病院が患者の受け入れを開始。国家衛生健康委員会(衛健委)は、死亡例の八〇%以上が六十歳以上の高齢者で、その多くが持病を持っていたと発表。

 長春でも、武漢から来たことを隠し、報告も自主隔離もせずに外出して五人に感染、多数を隔離観察にさせたとする男を国家安全危害罪の疑いで立件。同罪で立件されるケースが各地で発生。

 福建省規律監督委員会は、省疾病予防コントロールセンターの対応不足を理由に百七十名を処分したと発表。たとえ見せかけにせよ、不作為を理由に公務員が大量に処罰されることに驚く。香港で初の死亡者、三十九歳男性。世界の航空会社四十六社が中国便の運休を宣言。

 ●五日、北京市疾病予防コントロールセンターは市内の感染者居住エリアを公表。しかし、公表されたのは一部の新規報に過ぎない模様。私的に回っている内部情報によると、感染者の居住エリアは北京全市にわたり、私の住む団地にも感染者がいる。公表された北京市内の感染者は二百七十四名。

 ●六日、河南省でも十一日間という工期で建設された病院が稼働開始。武漢を統括する湖北省副省長は、これまで中国全土から百七の医療チーム、一万余人が到着し、救命活動に従事していることに感謝を述べる。

 ●七日、食材購入のためイオンへ。シイタケなどの生菌類が品薄と売り切れ、他はすべて購入。

 政府は感染患者の個人負担費用の六割補助、医療関係者の労災待遇、レストランと宿泊施設等の優遇税制、寄贈貨物の関税免除など十二項目にわたる国民優遇政策を発表。人力資源社会保障部が、隔離や治療で業務に対応できない社員にも通常通りの給与を支給するようにと通達。北京の感染者は三百十五名、退院三十四名、死亡は一名(九十四歳女性)増えて二名に。

●八日、衛健委は、統一名称「新型コロナウイルス肺炎」、英語名「NCP」を発表。上海疾病予防業務発表会で、飛沫感染とエアロゾル感染を懸念。国家郵政局が郵便事情は二月中旬に四割以上回復の見込みと発表。

●九日、北海道料理店を経営する友人から連絡。店の前の道路が封鎖され、住民でないと店に近寄ることもできず再開のメドが立たないからと、冷凍のウナギやホッケを無償でもらう。ホッケはもともと入手困難なのでとても有難い。付近の京客龍スーパーで野菜と冷凍食品を購入、食材も顧客もあふれてレジは混雑。

 中国疾病センターは、エアロゾル感染、糞口経路を「デマとは言えないが確認されてもいない」と否定。

●十日、一般企業も出勤が解禁されたため、道路には車が増加。地下鉄の乗車率は一〇%未満と報道。北京の感染者は三百四十二名に。退院は四十八名、死亡は一名(八十四歳男性)が増えて三名に。

●十一日、食材購入でイオンへ。消毒液は山積み状態。食材はチーズ・バター類が品薄だが、他は通常。前回品薄だった各種のキノコ類も豊富に陳列されている。買い物客は普段より若干少ない程度。封鎖中の職場に食材を届け、異常なしを確認。帰宅途中、マスクを顎にかけた半グレ男女がマクドナルド前でブラブラしていたが、誰かに通報されたのか、警察官三名に連行されるのを目撃。全国での死亡者が千人を超える。北京の感染者は十人増えて三百五十二名に。

●十二日、朝日新聞がネットニュースで「白菜一個が千円」と物価の高騰を前夜に報道。北京在住の友人から「不安を煽る記事だ」と連絡。一応フェイスブックで反論してみる。SARSの時は食塩がなくなるというデマで全国で買い占めが起きて高騰したが、今回は食料品も日用品もほぼ平常通り。市民生活を守るために政府が目を光らせているものの、スーパーの関係者が普段以上に努力していることも強く感じる。

 外務省が、中国全土の邦人向けに一時帰国の至急検討を発表したため、スマホには関連情報が飛び交う。日本への帰国が待ち遠しい人もいるだろう。しかし、感染しても自覚のない場合や、検査で判別できない場合があるので、帰国してもバラ色の生活とはいかないだろう。おそらく、周囲に心配や迷惑をかけ、自身もやり切れない思いが倍増する、そんな予感がする。 

 十三日午後四時現在、全国の累計感染患者は五万九千八百九十五名、うち重症患者は八千二百四名、死亡は千三百六十八名。北京は累計患者三百六十六名、治癒は六十八名、死亡三名。

投稿者:

nanben

北海道旭川市出身、北京在住18年、中国在住22年。