95:元宵節に食べるもの

2107年2月14日 あさひかわ新聞 北京あれこれNo.95
 今年の旧暦正月「春節」は一月二十八日だった。それから数えてちょうど十五日目となる二月十一日が「元宵節(げんしょうせつ)」だ。
 一般的には元宵節と呼ぶことが多いが、「春灯節」「小正月」「元夕節」とも呼ばれる。また「上元節」という呼称もあり、旧暦七月十五日の「中元」、旧暦十月十五日の「下元」と合わせて「三元」とも言われる。
 
 元宵節は、二十四節のうち春節(新年)の次に来る最初の節句であるため、とても重要視される。この日は団、円、和、美の願いを込めて「元宵(ユアンシャオ)」を食べて、正月が終わりとなる。
 
 元宵とは、中に餡の入った丸い団子餅のような食べ物で、水を張った鍋で茹でて食べる。北方では元宵を食べ、多彩な食文化を持つ南方では「湯圓」(タンユアン)を食べると言われている。湯圓の方が味も種類も豊富に見えるためか、現在北京のスーパーの冷凍コーナーでは湯圓のほうが種類が多いほどだ。
 
 元宵も湯圓も見た目は同じで、私には食べても区別がつかないが、製造方法や原料、さらに茹で時間や口当たりまで違うそうだ。元宵は直径が二㌢程が主流。湯圓として売られているものは、直径一㌢程度の小さなサイズから三㌢ほどの大きさまであり、餅に色がついたものもある。どちらも餡は小豆、黒ゴマ、ピーナッツ、サンザシ、ミックスナッツ、チョコレートなど、月餅同様にいろいろある。一番好まれているのは黒ゴマのようで、どのメーカーも作っているし、訪問先で出してくれる場合も黒ゴマが多い。
 
 私が管理しているホステルでは、中国の伝統や最近の文化風習を取り入れて、その時期に食べるべき食品をスタッフが準備して宿泊客に配っている。外国人客には中国の節句を体験してほしいし、国内客には時間差はあっても大勢で同じ食べ物を食べることで、一緒に節句を過ごした気分になってほしいからだ。
 
 リンゴや月餅を配る時はただ並べておけばよいし、八宝粥やちまきなどは煮ておけばすぐに提供できて問題ないが、元宵と餃子は事前に作っておくと冷えて固くなるし、最初から茹でると十分ほど掛かり、茹で過ぎると溶けてしまう。お客様の戻る時間を聞いたり予測したりして、いかに効率良くお配りするか、毎年スタッフと一緒に頭をひねっている。(おわり)

投稿者:

nanben

北海道旭川市出身、北京在住。