11:ピンチの間にチャンスをつかめ

2012年10月16日 あさひかわ新聞 北京あれこれNo.11

 

日中関係は冷え切ってしまった。  訪日ツアーや出張は軒並みキャンセルとなり、日本航空と全日空両社のフライトキャンセルは計6万席になった。 このような状態では「これだから中国は信用できない」「中国とのビジネスはリスクが大きすぎる」と対中ビジネスからの撤退や規模縮小の動きもあるだろう。まして、平和産業である旅行業界では、重要ターゲットであった大陸の”富裕層”を棚上げして、東南アジア等にシフトする動きも進むだろう。 対中旅行業にとっては大きなピンチだ。 沖縄の琉球新報10月4日付け報道によると、沖縄県はこのトラブルで訪日ツアーをキャンセルした中国人旅行客は4300人で、那覇空港から出発する中国人旅行者の一人あたりの平均消費額8万7910円を踏まえて、損害額を4億円と推定した。 ちなみに、昨年度札幌市を訪問した中国人旅行客は6万4千人。 沖縄発表の消費額をもとに単純計算すると、昨年度一年間で56億円を消費していた計算になる。観光庁(中国では「日本国家旅遊局」という)が発表した4〜6月の中国人旅行客の平均購買消費額17万6534円で計算すると、ざっと113億円だ。 昨年中国から海外旅行をした人は、一昨年より22.4%増え7025万人に達した。だが、そのうち札幌へ来たのは0.1%にも満たない。北海道が人気スポットなのは事実だが、まだ始まったばかり。それでも56億あるいは113億を消費してくれているのだ。 この数字では、中国の海外旅行ブームの恩恵を受けていると言えるレベルにはほど遠い。 一方で中国国内のテレビ番組は、アメリカを旅行する中国人の平均消費額が7000ドル(約56万円)だと発表している。 道内では「中国人はなかなかお金を落としてくれない」と聞くが、実際にはもっと落としてもらう工夫が可能であり、かつ落としやすい人がまだ来ていないということだ。 北海道をより楽しんでもらい、しっかりお金を使ってもらえる作戦を、今のうちに着実に進めることが重要だ。北海道の経済活性化に大きく期待できることをより多くの人が理解して、中国人観光客の歓迎ムードをつくることだ。 そうして来たるべき真の北海道ブームの際には、万全の体制で臨み、気持ちよ〜く消費してもらおうではないか。 (おわり)

(おことわり)すべての内容は、当時の個人的な感想です。刻々と状況が変わる北京では、過去の情報は思い出にすぎません。現在の状況とは異なる場合が多いことを予めご了解ください。

投稿者:

nanben

北海道旭川市出身、北京在住18年、中国在住22年。