137:北京の「準封鎖」が半解除

2020年5月12日 あさひかわ新聞 北京あれこれNo.137

 中国の新型コロナ制圧情報は疑わしい、公表されるデータは信憑性がない、世界にはそう言う人もいる。

 しかし、北京で唯一「高リスク」として残っていた朝陽区においても、四月二十九日には十四間連続で地元住民の新規感染者ゼロを達成したと発表され、これにより北京市全体が「低リスク地域」となった。実際に翌四月三十日から「準封鎖」が「半解除」された。

 準封鎖というのは、外から北京に入る全員に正確な移動ルートの報告と十四日間の健康観察という名の隔離が義務付けられていたという意味だ。市外からのウイルス持ち込みを防ぐため、団地や建物の進入口を限定して二十四時間体制で監視が徹底され、登録済みの居住者以外は誰も敷地内へ立ち入ることはできなかった。

 半解除とは、湖北省や武漢市からの入境者と海外からの帰国者を除けば、隔離が不要になったという意味だ。これら「高リスク地域」からの入境者は、今後も厳重な隔離・監視体制の下におかれる。ちなみに、特殊な例外を除き、外国人のビザは失効されたままなので、海外から外国人が中国大陸に入ることはまだ許されていない。

 これでやっと、隣接する河北省の実家に行っても安心して北京に戻れる。孫たちに会いたがっている義父母からの強い希望もあったので、子ども達を連れて帰省することにした。

 今年の五月の連休は五月一日から五日まで。連休中は高速道路の通行料が無料になるため、交通量も増えがちだ。さらに、北京の準封鎖が解除されたばかりということもあり、初日の北京へ入る検問所では十一時間待ちだったという恐るべき情報を小耳に挟んでひるんだ。幸なことに六日は次男のオンライン授業が中止になったので、五月四日に出発して、出勤日のため高速も有料に戻り交通量も減るであろう六日に北京に戻ることにした。

 五月四日、北京からの下りは普段通りで、約三百五十をいつものように四時間半でスムーズに走ることができた。途中、上り車線の北京検問付近では八ほど渋滞していた。河北省に入ると、マスクの着用率は八割程度、郊外の住宅エリアでは誰もマスクをしていなかったので驚いた。

 五月六日、朝九時半に出発した。途中、渋滞を避けて一旦高速道路を下りて再び進入する迂回ルートを選択した。再び高速に乗ってしばらく走ると北京入境の検問所があり、体温測定と身分証と運転免許証を提示しなければならなかった。普段ならパスポートと免許証を見せるだけだが、今回はダメ。全員が窓口に行き、パスポートの本人確認と、中国への最終入国日や会社や学校など所属まで細かく確認された。それでも、北京ナンバーの車で、登録している居住地も北京だったので問題にはならなかった。

 その後は驚くほど順調で、結果は予測を遙かに下回る、たった六時間で北京の自宅に戻ることができた。五十歳を過ぎて片道六時間の運転はしんどかった。だが、子ども達は春節にもらうはずだったお年玉をもらって大喜び、義父母も久しぶりに孫たちに会えてとても喜んでくれた。

 半解除となっても、映画館やカラオケ等の娯楽施設、サッカー場やジム、水泳等のスポーツ施設、屋内の文化観光施設、市や省を跨ぐ旅行や、国内外への団体旅行、飛行機とホテルをセットにした旅行業等、まだ再開が許可されていない事業も多い。私の宿は閉鎖して三カ月が過ぎた。全人代が無事閉幕した六月に再開できることを願うばかりだ。