133:新型コロナウイルスで非常事態(3)

2020年2月25日 あさひかわ新聞 北京あれこれNo.133

 ●二〇二〇年二月十三日、食材購入のためイオンへ。野菜などの食材はいつも通り山積み。

 食材を職場へ配達し、当直中のスタッフ二名と、隔離中の宿泊客三名全員の無事を確認。

 上海市長の湖北省トップへの異動で感染者の洗い出しが進んだためか、湖北の新たな感染者が一夜にして突如一万四千人超え。真相に近づいただけ、という冷静な反応多し。

 ネットニュースで寄付にまつわる美談が続くなか、極貧の独居老人が全財産を寄付したという記事が相次ぎ「受け取る側の気が知れない」と炎上。

 北京市内の累計感染者は三百七十二名、退院は七十九名(約二割)、他の疾患が原因という一名が増えて死者四名に。

 ●十四日、これまでに全国で千七百十六名の医療スタッフが感染したと発表。感染者総数の約三%。武漢で快復した医療スタッフ十九名が血漿を献血、有効治療への期待が高まる。

 外地から北京へ戻った場合、十四間の隔離観察が強制化、従わない場合は責任追及。ビルや団地などの入り口で本人確認と体温検査の徹底がさらに進み、部外者・マスク不携帯・発熱者は一律進入禁止。抵抗者は通報されて刑事責任。

 北京日本人学校から通知、三月一日まで臨時休校へ。

 ●十五日、食材購入のためイオンへ。のち職場へ配達、全員の無事を確認。

 フランスで湖北省からの中国人観光客が死亡。湖北省黄岡市で、さらに病院二カ所を専門病棟に改造と発表。上海や北京でも建設の噂あり。

 ●十六日、雲南ネットで、百の新鮮野菜と激励メッセージを積んだ救援車両が湖北へ出発と報道。寄付や支援のニュースがあふれ過ぎ、かえって不安に。市内の累計感染者は三百八十一名、うち三割の百十四名が退院。

 ●十七日、食材購入でHemaスーパーへ。生鮮品が豊富でトマトは九品種。この建物のなかで営業しているのは地下のスーパーとユニクロとマクドナルドだけ。ユニクロは顧客ゼロ、マックは配達員が出入り。食材を職場へ配達、無事を確認。

 生活インフラ業種以外も通勤が解禁されたが、引き続き時差通勤、在宅勤務を推奨。

 日本政府が五機めのチャーター便で防護服などの支援物資を輸送。多くの中国人が「もう寄贈しないで自国で使って」とコメント。以前の反応は純粋な感謝だが、クルーズ船の状況と日本国内市中感染のニュースを受けて、「これからは日本がヤバイ」という認識に。

 国家衛生健康委員会によると、湖北省を除く新たな感染者合計数は十四日間連続で減少、初めて二桁台に。

 ●十八日、私が経営するユースホステルの建物を所有する大学側から、外地のスタッフは当面北京に戻るなと指示、業務再開は四月以降の見込みと返答。

 嵐の北京公演が中止に。かつてSMAPの北京公演で強く感じたが、首都北京での公演は良い意味での政治的配慮があったはず。解散前の過密スケジュールのなか、もしもリベンジができたなら、その効果は倍増、日中の友好関係はより強固になるだろう。

 国務院が企業の社会保険料を段階的に減免すると発表。しかし、よく読むと限定的、時間稼ぎで焼石に水と判断。一瞬でも期待した自分の甘さを猛反省。

 武漢武昌病院の院長で、感染により同済病院ICUで治療を受けていた劉智明院長が殉職。既に死亡したナースは、一家六人のうち四人が死亡、二人が病院で隔離中らしい。

 全国で初めて新たな治癒数が新たな感染数を超過、ただし、全国の累計感染者は既に七万人超、うち一・二%は自覚症状もない。北京市内の累計感染者は三百九十三名、退院は百四十五名(約三十七%)、事態が改善していることを信じたい。

 ●十九日、イオンで食材を購入して職場へ配達、無事を確認。宿泊客は来週以降、順次出社予定とのことで今後の隔離封鎖は困難に。よって来月の宿泊延長には対応できないことを通達。予約受付中止を三月末まで延長。

 北海道から届くはずのマスクは、既に二週間以上、東京国際郵便局で足止め中だ。

 新京報は、武漢でこれまでに十二のコンテナ病院が稼働、ベッド数は二万床を超えたと発表。

 ウオール・ストリート・ジャーナルは中国を「真のアジアの病夫」と表現。中国側の抗議、撤回・謝罪要請を無視したとして、政府は北京駐在の記者三名の記者証を無効に。

 中国国内の死亡者が二千人を超える。

 情報隠蔽で被害を拡大した中国に最大の責任があることは明白だ。しかし、日本のニュースを見ていて、対応へのもどかしさも否めない。北京で企業活動の停止命令や移動制限など、強権発動に振り回されているものの、人々の多くは止むを得ないと理解している。被害をこれ以上拡大させず、早く収束させるには、早急な強権発動が必要、そういう状況なのだ。中国人がいま一番心配しているのは日本だ。中国に送り日本国内のマスクが不足していることに、多くの中国人が心を痛め、心配している。

132:新型コロナウイルスで非常事態(2)

2020年2月18日 あさひかわ新聞 北京あれこれNo.132

●二〇二〇年二月一日、食材購入のため、鮮度と高品質で人気の、アリババ・タオバオ系のHEMAスーパーへ。ごく一部の日用品が品薄だがそれ以外は問題なし。特に食材は果物と野菜安売りコーナーが充実、買い物客の数も多く、全員マスク着用を除けば平常通りの印象。

 青少年は感染しないと言われていたのに、北京で生後十カ月の嬰児が感染したと報道された。市内の感染者は百八十三名に。

 中国政府は幼小中高大の授業再開延期に関し、未成年者のいる家庭は出勤開始後も保護者のうち一人は子女看護を理由に自宅待機を認めることと、期間中は通常の給与支払と解雇禁止を通達。これにより中小・零細企業の倒産件数が増えるだろうと推測。

 広西省では、感染の疑いがあるのに申告も感染予防措置も取らなかったとして四十一歳の男を国家安全危害罪で立件。有罪の場合は最悪死刑。

 ●二日、中国国外で初の死者、四十四歳の中国人が昨日フィリピンで死亡。ドイツの感染者十名、アメリカの感染者九名。北京の感染者は二百名を超え、二百十二名に。

 ●三日、北京復興病院のICUで新たに九名が集団感染、うち五名は医療関係者。発表によると、北京の集団感染は四十一件、百二十四人で感染率は五〇%以上、主たる感染源は家族・職場。

 四川省では、武漢から来たことを隠して三十名以上の医療関係者に濃厚接触したとして、六十九歳の男が刑法、伝染病予防法、治安管理処罰法などを理由に責任を追及と報道。

 ●四日、設計から完成まで十日間という突貫工事で建設された武漢の火神山病院が患者の受け入れを開始。国家衛生健康委員会(衛健委)は、死亡例の八〇%以上が六十歳以上の高齢者で、その多くが持病を持っていたと発表。

 長春でも、武漢から来たことを隠し、報告も自主隔離もせずに外出して五人に感染、多数を隔離観察にさせたとする男を国家安全危害罪の疑いで立件。同罪で立件されるケースが各地で発生。

 福建省規律監督委員会は、省疾病予防コントロールセンターの対応不足を理由に百七十名を処分したと発表。たとえ見せかけにせよ、不作為を理由に公務員が大量に処罰されることに驚く。香港で初の死亡者、三十九歳男性。世界の航空会社四十六社が中国便の運休を宣言。

 ●五日、北京市疾病予防コントロールセンターは市内の感染者居住エリアを公表。しかし、公表されたのは一部の新規報に過ぎない模様。私的に回っている内部情報によると、感染者の居住エリアは北京全市にわたり、私の住む団地にも感染者がいる。公表された北京市内の感染者は二百七十四名。

 ●六日、河南省でも十一日間という工期で建設された病院が稼働開始。武漢を統括する湖北省副省長は、これまで中国全土から百七の医療チーム、一万余人が到着し、救命活動に従事していることに感謝を述べる。

 ●七日、食材購入のためイオンへ。シイタケなどの生菌類が品薄と売り切れ、他はすべて購入。

 政府は感染患者の個人負担費用の六割補助、医療関係者の労災待遇、レストランと宿泊施設等の優遇税制、寄贈貨物の関税免除など十二項目にわたる国民優遇政策を発表。人力資源社会保障部が、隔離や治療で業務に対応できない社員にも通常通りの給与を支給するようにと通達。北京の感染者は三百十五名、退院三十四名、死亡は一名(九十四歳女性)増えて二名に。

●八日、衛健委は、統一名称「新型コロナウイルス肺炎」、英語名「NCP」を発表。上海疾病予防業務発表会で、飛沫感染とエアロゾル感染を懸念。国家郵政局が郵便事情は二月中旬に四割以上回復の見込みと発表。

●九日、北海道料理店を経営する友人から連絡。店の前の道路が封鎖され、住民でないと店に近寄ることもできず再開のメドが立たないからと、冷凍のウナギやホッケを無償でもらう。ホッケはもともと入手困難なのでとても有難い。付近の京客龍スーパーで野菜と冷凍食品を購入、食材も顧客もあふれてレジは混雑。

 中国疾病センターは、エアロゾル感染、糞口経路を「デマとは言えないが確認されてもいない」と否定。

●十日、一般企業も出勤が解禁されたため、道路には車が増加。地下鉄の乗車率は一〇%未満と報道。北京の感染者は三百四十二名に。退院は四十八名、死亡は一名(八十四歳男性)が増えて三名に。

●十一日、食材購入でイオンへ。消毒液は山積み状態。食材はチーズ・バター類が品薄だが、他は通常。前回品薄だった各種のキノコ類も豊富に陳列されている。買い物客は普段より若干少ない程度。封鎖中の職場に食材を届け、異常なしを確認。帰宅途中、マスクを顎にかけた半グレ男女がマクドナルド前でブラブラしていたが、誰かに通報されたのか、警察官三名に連行されるのを目撃。全国での死亡者が千人を超える。北京の感染者は十人増えて三百五十二名に。

●十二日、朝日新聞がネットニュースで「白菜一個が千円」と物価の高騰を前夜に報道。北京在住の友人から「不安を煽る記事だ」と連絡。一応フェイスブックで反論してみる。SARSの時は食塩がなくなるというデマで全国で買い占めが起きて高騰したが、今回は食料品も日用品もほぼ平常通り。市民生活を守るために政府が目を光らせているものの、スーパーの関係者が普段以上に努力していることも強く感じる。

 外務省が、中国全土の邦人向けに一時帰国の至急検討を発表したため、スマホには関連情報が飛び交う。日本への帰国が待ち遠しい人もいるだろう。しかし、感染しても自覚のない場合や、検査で判別できない場合があるので、帰国してもバラ色の生活とはいかないだろう。おそらく、周囲に心配や迷惑をかけ、自身もやり切れない思いが倍増する、そんな予感がする。 

 十三日午後四時現在、全国の累計感染患者は五万九千八百九十五名、うち重症患者は八千二百四名、死亡は千三百六十八名。北京は累計患者三百六十六名、治癒は六十八名、死亡三名。

131:新型コロナウイルスで非常事態(1)

2020年2月11日 あさひかわ新聞 北京あれこれNo.131

 ●二〇二〇年一月十九日夜、仕事が終わり帰宅すると、旭川から北京へ呼び戻したばかりの次男が、三十九度を超える発熱でぐったりしていた。コロナについては知っていたが、関連なしと判断。

 ●二十日、病院へ連れて行くか迷ったが、流行中のインフルエンザウイルスを拾う恐れがあり躊躇。ひとまず学校を休ませ、薬を飲ませて自宅で看病。午後、果物を買いにイオンへ行ったが、誰もマスクをしていない。春節直前で食材も贈答品も大量に陳列してある。夕方、熱が下がり、私は打ち合わせのため外出。日系の飲食店も含め、いずれも通常通り営業中。

 夜のニュースで、習近平首席が新型コロナウイルスに関する指示を発表。春節の雰囲気が一変してなんとなく不穏な空気に。ただし、SARSに比べて致死は率低く切迫感なし。北京市内の感染者五名とのこと。

 ●二十一日朝、次男が完全に快復した。咳はなかったが、念のためマスクをつけて学校へ。マスクを入手しようと、イオンへ寄ったら残り三袋。一袋三枚入りで日本円で千二百円。高いなあと迷っているうちに残り一袋に。ひとまず購入。食材やほかの日用品の在庫は十分。マスクの着用率は半数以下。北京の感染者は十名。

 ●二十二日夕方、再度イオンへ行ってマスクを確認、入庫は無し。イトーヨーカドーにマスクがあると聞き、直行。三種類のマスク、消毒液などがあり。大量にあるので奪い合う雰囲気もない。マスクを三十袋(約二百枚)とフロント用に手洗い用と拭き取り用消毒剤を購入。インターネットで赤外線体温計を購入。

 ●二十三日、北京日本人学校の春節前最終登校日。教員は全員が、学生と保護者は過半数がマスク着用。春節休暇は一週間、三十一日から授業再開の予定。内装用の資材量販店へ行き、隣接するカルフールに寄る。駐車場は通常通り、駐車スペースの空き待ちで待機。店内は人だかり、マスクは品切れだが食材は豊富、レジ待ちで三十分以上、マスク着用はまだ半数程度。

 同日、北京市文化観光局が、市内の大型イベント開催中止、特に二十五日(旧暦の正月一日)から予定されていた縁日の市は全て中止、故宮や国家博物館などの名所も閉鎖を発表。航空局が購入済みフライトチケットのキャンセル無料を通達。この通知を境に、北京全体が明らかな危機感に包まれた印象。ホステルの宿泊滞在客は十名程度、毎日出入りしている。新たに上海経由のオランダ人二人もチェックイン。私はこの日から夜勤の当直、万が一のことを想定し、緊張して一睡もできず。北京の感染者は二十六名。

 ●二十四日朝、徹夜のせいか体調が思わしくない。毎年この時期は発熱して寝込むが、心配かけるので帰宅。夜には三十九度を超え、翌日も熱が下がらず結局二日間寝込む。ホステルでは、オランダ人の宿泊客が予定を十日も早く切り上げて帰国。他の予約もほぼチェックアウト済みか予約キャンセル。残るのは長期滞在の三名のみ。感染リスクを抑えるため、新規宿泊客の受け入れ中止を決断。中央政府より今年の春節は集まるなという御達し、北京政府は最高警戒レベルを発表。感染者は三十六名。

 ●二十五日、感染者は五十一名。

 ●二十六日、体調が快復。イオンで食材を買い、ホステルに届ける。長期滞在で北京で働くウクライナ人が発熱していると聞き慌てる。彼は自発的に通院し、「肺炎でない証明」を取得。感染者は六十八名。

 ●二十七日、国務院が春節休暇の延長を発表。出勤は一月三十一日から二月三日へ。市内各地の団地や職場、ビルで出入り制限(発熱検査、入居者確認、移動ルート報告など)。感染者は八十名、死亡一名。

 ●二十八日、航空局が無料キャンセル延長を発表。二月末まで北京を通過する四十一列車の運休を発表。感染者は九十一名。

 ●二十九日、北京日本人学校から通知あり。政府からの通達を受け、当初三十一日の授業再開は中止、春節休みは二月十六日まで延長。ただし十七日に授業再開できるとは限らず、再開日は未定とのこと。北京でマスクを高額販売していた薬局が摘発されて罰金三百万元(約四千七百万円)。感染者は百十一名。

 ●三十日、北京の地下鉄全線で体温検査を実施、マスク着用を呼びかけ。感染者は百十四名。

 ●三十一日、北京政府から通達。医療や生活インフラ等必要不可欠な企業を除き、二月九日以前の出勤禁止、自宅作業を推奨。湖北省から戻った人は十四日間以内の出勤禁止。感染者は百三十九名。

 二月六日現在、北京市内の感染者は二百七十四名、死亡一名、治癒三十一名。