96:北京で「男山」の宣伝

2017年3月14日 あさひかわ新聞 北京あれこれNo.96
 日中国交正常化四十五周年の今年、北京では歌舞伎公演をはじめ多くの記念事業が開催される。二月二十五日、二十六日の両日には、大型ショッピングモール「U―TOWN」で日本の工芸品、酒、食品を宣伝し、日本の匠の心と高い技術をアピールするイベントが開かれた。
 イベントの情報は、D庁からHY銀行D事務所に出向中のT主査から入った。彼は北京旭川組(現大雪ナナカマドの会)の発足メンバーで、旭川北高の後輩でもある。値段の安い本州の男山が出回っている北京で、本家である旭川の「男山」が造った高品質の日本酒をもっと広めたいと願う仲間だ。
 初企画のイベントで、そのPR効果は未知数だ。しかし、外務省の記念事業なので費用をかけずに展示できるため、試してみる価値はある。男山も出展に賛成し、全面的な支援を快諾してくれた。
 開幕式では野上浩太郎官房副長官、横井裕駐中国大使と並んで、中国でも知名度が高い元サッカー選手の中田英寿氏が鏡開きに加わり、注目を集めていた。イベント中は中央のステージで一時間ごとにプログラムが実施され、日本酒利き酒クイズ、観光地を旅するビデオの放映、熊本県の踊り披露、パックご飯の無料配布などが行われた。
 展示スペースは工芸、日本酒、食品、観光などの分野別に分けられた。九州や東北、北陸に極端に多くのスペースが割かれ、「北海道は知名度も人気もあるから、いいべさ」と言われているように感じた。
 期間中、T主査と私は主催者から男山の展示用に与えられた三十㌢四方のスペースを交代で守り、来場者の視線を追いかけ、質問に答えた。主催者の公式発表によると両日の来場人数は一万五千人、実際には数割引いたくらいだろう。 しかし、初日だけでも足を止めて男山の紹介文を読んだり、パンフレットを手に取る人が百人はいた。展示していた純米大吟醸の瓶を手にとってラベルを確認したり、展示物を撮影するなど時間をかけて見てくれた人も二十人以上いた。なかには、すでに知っている人もいて、「これよ、これ!」と探し物を見つけたような口調で友人に紹介する人や、「どこで買えるのか」「いくらか」と具体的に聞いてくる人もいた。
 北京で男山を多くの人に宣伝でき、さらに「資料館も試飲も無料だから、ぜひ旭川に来て」と観光誘致もできて、とても充実した二日間だった。