15:やっぱり石原氏

2012年12月11日 あさひかわ新聞 北京あれこれNo.15

日本では総選挙が告示された。北京でも、日本人向けの雑誌や大使館情報で在外投票の告知や連絡が出回り、臨場感が出てきた。

(以前)こちらの新聞では日本の総選挙に関する記事をあまり目にしなかったが、12月4日の総選挙告示のニュースと写真が、翌日の新聞に掲載されていた。そして小見出しにはやはり、石原元都知事の名前があった。

これまでにも、メディアやネット上で石原氏の言動はよく取り上げられている。定例記者会見では中国のことを蔑称の「支那」と呼んでいたし、中国に対する嫌悪感をあからさまに表明する人が隣国の首都の長だったのだから、懸念(というより批判)が集まるのは当然だろう。

「石原氏が支那と呼ぶのは誤りであるが、中国も日本のことを小日本と呼ばないでほしい」と細野豪志・民主党政調会長が発言したが、そもそも中国の政治家、しかも首都の長たる要職にある立場の人で、公式の場で故意に「小日本」と発言した人がかつて存在したのだろうか?一般市民が言うのと、国や自治体の代表者が公式の場で発言するのは影響力も印象も明らかに違うはずだ。その頃、何を思ったのか天下の朝日新聞網の公式微博(中国版ツイッター)が、「それなら”小日本”と呼ばずに、”鬼子(鬼畜)”と呼べばいい」とつぶやいたことで、ある人は賛同し、ある人は失笑して「面白すぎる」と話題にした。

日中関係が領土問題で緊張し、デモが発生し、メディアでも世間でも常に話題の中心だった時期に比べると、現在はやや落ち着いた感がある。少なくとも、タクシーで運転手に「何人だ?(よもや日本人ではあるまな)」という威圧的な質問を受けることが少なくなったし、「公衆の場で日本語を話すと危険を感じる」という雰囲気ではなくなった。

とはいえ、今後も石原氏の言動は逐一報道され、そのたびに相応の反響を生むだろう。石原氏の一言で、必死につなぎ直そうとしている絆の紐を手放さなければならないような事態には、絶対にしてはいけない。(おわり)

(おことわり)すべての内容は、当時の個人的な感想です。刻々と状況が変わる北京では、過去の情報は思い出にすぎません。現在の状況とは異なる場合が多いことを予めご了解ください。