1:北京で感じる北海道〜日本式焼肉店「松岡」

2012年5月29日発行 あさひかわ新聞「北京あれこれ」No.1

はじめまして、nanbenです。 中国に住み始めて早や14年(ときどき故郷旭川で充電)。気がついたら仕草も思考も中国式です。この特殊な立場と視点から記事を書きますので、どうぞよろしくお願いします。

初回は、私が「北京で頑張る同士」と勝手に決めている日本式焼肉店「松岡」をご紹介したい。  松岡は、2005年に開業し、後に今年日本大使館が移転してきた辺り、ラッキーストリートというレストラン街に店を移した。 日本式をかたる店はいくらでもあるが、ここは北海道を代表する焼肉のたれメーカー、ソラチが経営する店だ。支配人もどさんこで、実家は緑ヶ丘にある。店内で炭火焼き用に使われる木炭の段ボールに「旭川」の文字をみたときには「木炭よ、はるばる旭川からご苦労さん」と心の中で叫んだ。 ここ北京で店舗を構えるというのは、並大抵のことではない。上海なら、五万人を超える在留日本人とそれに慣れた一部の中国人だけを対象にした局地的な日本式ビジネスが存在し得る”ゆるさ”がある。しかし、日本人がせいぜい1万人と言われる北京で同じやり方は通用しない。 それに、北京は地域ごとに違う規制や審査基準が、おそらく中国で最も厳しい。 首都の安全はすべてのものに優先される。中国全土を見据えた場合、上海ではなく、やはり北京が重要拠点であることは間違いない。なぜなら、中国全土から優秀な頭脳を持つ人材が集まる政治の中心なのだ。  世界中から研究機関が集まるのも北京の特徴だ。そんな北京で、幾多の店が盛大に開業しては静かに消えていった。  このエリアでも日本式焼肉店が雨後のタケノコのように増殖している。しかし二年後も残っている店はいくつあるだろうか?一寸先は闇、誰もがリスクとトラブルを抱えている。 次々に湧き起こるハードルを超え続けて営業が出来ているうちは、それだけで成功と言えるのだ。 北京広しといえども、どさんこが常駐している本当の意味での「北海道企業」の進出成功例といえるは、(今のところ)この松岡だけかもしれない。ちなみに一人当たりの予算は二百元(日本円にして約三千円)ぐらい。 中国人客が半数を超える。今後も増えるだろう。(おわり)

(おことわり)すべての内容は、当時の個人的な感想です。刻々と状況が変わる北京では、過去の情報は思い出にすぎません。現在の状況とは異なる場合が多いことを予めご了解ください。