18:賑やかな春節

2013年2月11日 あさひかわ新聞 北京あれこれNo.18

今年の春節(旧暦の正月「大年初一」とも言う)は2月10日だ。大晦日に当たる前日の9日は「除夕」と言う。中国の年越しは、日本のように厳かでなく、爆竹をはじめ大小様々な花火で盛大に祝う。花火は年々改良されて豪華になり、奇抜なものが売られている。中にはまるで照明弾のような派手な花火もある。

14年前、初めての春節は当時暮らしていた河北省で迎えた。まだ生後数ヶ月だった長男が、やっと夜にぐっすり眠ってくれるようになった頃だった。除夕の午後から爆竹の音が聞こえはじめ、夜中の12時を過ぎる頃から急に激しくなり、道新花火大会のような花火が至るところで上がった(注:日本ように主催者がいて会場や点火場所やが固定されているのではなく、市民がそれぞれ自宅近くの空き地で好き勝手に花火を上げるのだ)。それからほぼ2週間、15日後の元宵節まで、窓ガラスが割れんばかりの爆竹の音が絶え間なく響いた。どこでも熟睡できる私が、あまりの爆音に寝不足の日々を過ごした。

2002年に北京に移ってからも、春節前には夫の親兄弟の残る河北省に家族全員で帰るのがルールだった。2008年からは、家族の事情や帰省するスタッフの穴埋めのため、私は北京に残ることにした。宿でスタッフやお客様と一緒に餃子を作って食べ、ロビーにテレビを設置して、「春晩」と呼ばれる紅白歌合戦のような番組を流す。

充満する火薬の匂い、機関銃のような音と振動、その臨場感は、事故や火災の不安も手伝って、まるで戦場のようでもあるが、新年を祝う希望に満ちたお祭りだ。たいていの日本人客は「こんなの日本ではあり得ない、すごい」と歓声を上げる。

1993年から2005年まで、北京市中心部での爆竹花火は安全面への配慮から全面禁止とされた。しかし、復活を望む声が多く、時間と場所を制限して(つまり、夜12時以前と環状5号線の内側はダメ)解禁になった経緯があるが、やはり規模は全体として縮小傾向にある。

春節には北京に住む外地人が田舎に帰り、一時的に北京の人口が減る。加えて去年は、春節期間中の海外旅行ブームが起こり、北京人の数が減った。今年も春節の海外旅行は好調らしい。

この状況に、連日の大気汚染警報が追い打ちをかけている。「爆竹や花火は空気を汚染するから禁止すべきだ」という意見も出てきた。縮小どころか、再び禁止になるかもしれない。

「春節の爆竹と花火を見たいから、毎年中国へ来る」と楽しみにしている人もいる。なんといっても中国の伝統文化だ。廃れてしまうのは残念でならない。(おわり)

(おことわり)すべての内容は、当時の個人的な感想です。刻々と状況が変わる北京では、過去の情報は思い出にすぎません。現在の状況とは異なる場合が多いことを予めご了解ください。

投稿者:

nanben

北海道旭川市出身、北京在住。