7:無料wifiで観光促進を

2012年8月21日 あさひかわ新聞 北京あれこれNo.7

フェイスブックに代表されるSNSは、中国では「QQ」と「新浪微博」が最大手だ。 QQはチャット式の会話や大容量データ送信に大変便利であり、昨年末にアクティブ・アカウントが7億を超えたらしい。同時にオンラインしている数は約1.5億という驚異的な数字だ。またツイッター型の微博(マイクロブログ、中国語ではweibo )は今年3月で3億アカウントを突破し、毎日の書き込み数は1億を超える。 ネット上では、日常ネタから政治ネタまであらゆる情報が書き込みされ、更にコメントを増やして膨張してゆく。 自分がフォローしている人の書き込みをチェックするだけでも時間が足りない。今年2月、日本人旅行者が世界旅行の果てに中国の武漢市で自転車を紛失した(実際には盗難)事件があった。これについて5万人ものユーザーが書き込みや転送をし、TVニュースでの放映につながり、わずか数日で事件を解決させるほどの影響力を発揮した。これは特殊な例ではあるが、要は使い方と使わせ方がポイントだ。 スマートフォンの普及にあわせ、北京市内の至る所でwifiが飛んで活用を促進している。 オフィスやホテルは当然ながら、空港でもマクドナルドでも公衆wifiが飛んでいる。市内では、職場でも、家でも、外出先でも、どこでもwifiの電波に囲まれた生活をしている。 大量の情報とアクセスフリーのインターネット環境に慣れてしまった北京のホワイトカラーたちは、日本に旅行すると、通信インフラ、特に公衆wifiの立ち遅れに驚く。地図や辞書などの機能を使うためにスマートフォンやipadなどを取り出してさあ調べようと思っても、日本の通信会社と定期契約しているユーザーしか使えない。もしくは高額な国際ローミング料金を支払わなければならない。場所によっては、電波すら飛んでいない。言葉が通じない外国で、その不便さは身にしみる。 たとえばJR各駅、宿泊施設、観光施設、レストランなどの商業施設とそれぞれが、まず自分ノエリアで無料wifiを旅行者に解放してみてはどうだろう。 その点が線になる面になると、より快適に北海道旅行を楽しんでもらえるに違いない。 (おわり)

PS:この記事を書いた数年後、東京エリアや札幌エリアで『外国人観光客対応」という名目の公衆wifiをいくつか確認したが、「実用的に使える」と思えたものは一つもなかった。逆に「当てにして失敗した」と恨み言のクレームをよく聞いた。私自身も試したが、少し移動すると切れたり、やっと繋がっても遅くて写真一枚アップできなかったりで、実際まったく使いものにならなかった(発注側も、受注側も、国内契約していない携帯やipadで検証してみたのだろうか?甚だ疑問だ)。現在は、中国出国時に海外向けのレンタル移動wifiを携帯するのが常識となっている。 

(おことわり)すべての内容は、当時の個人的な感想です。 刻々と状況が変わる北京では、過去の情報は思い出にすぎません。現在の状況とは異なる場合が多いことを予めご了解ください。

6:61年ぶりの豪雨で浸水

2012年8月7日 あさひかわ新聞 北京あれこれNo.6

北京の7月21日土曜日は、異様な日だった。昼過ぎから窓の外が急に暗くなり、2時前にはまるで夜のようになって雨が降り出した。 その日は旭川出身の駐在員が赴任する日だったので、夕食は焼肉「松岡」で歓迎会だった。5時に自宅を出たときは大粒の雨。  十分ほど車を走らせると、ワイパーを最速で動かしても何も見えないほどの土砂降りに遭った。食事中もずっと雨で、「通り雨の多い北京にしては珍しいね」と呑気な会話をした。 解散して一人になった帰り道、渋滞に巻き込まれた。その間も雨は激しさを増し、ドアを開けると路上でうねる雨水が車内に入ってくる高さになった。渋滞の原因となっていたのは、車体が水没してエンストしたバスや乗用車だった。  前のジープに続いてエンストせずにUターンできたときには思わず安堵のため息が出た。  しばらく走り、地下鉄工事現場の交差点に差し掛かった時、不自然に停車しているブルドーザーと多くの作業員を見て不吉な予感がした。雨水が(工事中の地下鉄駅に)流れ込んで一部が崩れてしまったことを後で知った。  私の主たる職場である安宿は半地下にある。 午後に一度無事を確認していたが、夜になって路上でバスが浸水するほどの大雨になっては影響が出ないわけがない。夜9時過ぎ、職場の裏の駐車場に着いた時に、フロントから緊急事態を知らせる電話が鳴った。すぐに中に入ると、廊下のあちこちで水をこぼしたような状態だったが、一面浸水しているわけではなく、最悪の事態ではないことに少しほっとした。 現場だと言われた客室に入ると、パジャマ姿のスタッフも交じり、全員でバケツリレーをしていた。  そのベランダは窓と同じ高さまで雨水が溜まっていたのだ。 窓の隙間から雨水が客室側に流れ込み、窓の下の壁部分も雨水がしみ込んでしっとりしていた。 屋根があってもなぜかこのベランダにだけ雨水が充満したのだという。 私もバケツリレーに加わり、ようやく底が見えて一段落したときには、深夜1時を過ぎていた。 それでも雨はまだ止まず、二時間後にはまた水が溜まり、作業をした。 ようやく雨が止み、空が明るくなった時、他のベランダにも5〜30センチほど雨水が溜まっていることが判明。 すべての排水作業を終えたときには夕方5時を回っていた。  政府の発表によると、(この雨による溺死など)犠牲者の数は77人に達した。ネットでは、車が水没してドアが開かない場合にヘッドレストで窓ガラスを割る方法が話題になっていた。 辰年は水が多いという。 今後の備えにと、宿に雨水専用の排水ポンプを購入した。あれからも雨の日が続いている。7月29日に晴れただけで、この原稿を書いている8月1日も雨だ。週間予報には雷雨のマークもある(6日現在、北京の天候は回復している。 4日と5日、雷を伴う通り雨との予報は幸いなことにも外れて晴れたが、雨雲が移動した地方の豪雨が報道されている)。(おわり)

(おことわり)すべての内容は、当時の個人的な感想です。 刻々と状況が変わる北京では、過去の情報は思い出にすぎません。現在の状況とは異なる場合が多いことを予めご了解ください。